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世界遺産、フィレンツェの歴史地区
イタリア中部を流れるアルノ川。この川岸に芸術の都フィレンツェはある。かつてこの街には多くの芸術家が訪れた。レオナルド・ダ・ビンチもその一人である。今でも中世の面影を残すこの街は、今日も夕日に照らされて幻想的な雰囲気に包まれる。フィレンツェの歴史地区は、1982年、世界遺産に登録された。 |
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フィレンツェの街で、ひときわ目を引くのが、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。豪華な大理石で作られたこの大聖堂は、イタリアで一番美しい大聖堂と言われている。フィレンツェ周辺は良質の大理石の産地として有名で、床にも大理石で作られた様々な幾何学模様が描かれている。多くの芸術家による装飾が至る所に施されている。美しい鐘楼は建築家のジョットによるもので、高さは85mもある。この大聖堂が有名なのは、ただ美しいという理由だけではなく、とても巨大な大聖堂で、なんと3万人も収容できるのである。中世にこれだけの建造物を作ることは本来なら不可能で、まさにオーバーテクノロジーと言える。この建設不可能と言われた巨大な大聖堂の建築を可能にしたのには、天才建築家の活躍があった。それはまさに、多くの天才建築家の情熱と執念のプロジェクトであった。巨大な大聖堂の建設は困難を極め、特に直径42mの丸屋根のクーポラの建設は当時の技術力では不可能だった。その時、登場したのが、天才建築家フィリッポ・ブルネッレスキだった。彼の建築技術は独特で、足場を作らずに二重構造にすることで、少しずつ上に築いていった。この建築技術は実は古代ローマからヒントを得て、ブルネッレスキが苦心の末に編み出した建築方法だった。そして、最後の仕上げの頂上の金色の十字架と球は、歴史的な天才建築家レオナルド・ダ・ビンチが大クレーンを作って取り付けた。こうして着工から600年の歳月を経て、巨大な大聖堂は完成したのである。
フィレンツェは昔から芸術の都と言われているが、その芸術を充分に楽しめるのが、有名なウフィッツ美術館である。ウフィッツとはイタリア語で事務所という意味で、もともとはトスカーナ大公国の行政機関の建物だった。建築家ヴァザーリの設計によるもので、一階は重厚なドーリス式列柱が並び、古代ローマの雰囲気が漂っている。1581年にフランチェスコ1世がメディチ家の膨大な美術品を納めるため、建物の最上階を美術品収蔵場所として改装した。これが今のウフィッツ美術館である。ウフィッツ美術館で必見の絵画といえば、ボッティチェリのヴィーナスの誕生で、ルネッサンス絵画の最高傑作と言われている。トリブーナと呼ばれる八角形の部屋はブオンタレンティの設計によるもので、天井は真珠貝で飾られている。また、ヴァザーリの回廊には、レンブラントやルーベンスの自画像がかけられている。
フィレンツェの街の中央を流れるアルノ川に三つのアーチを描いて架けられているのが、美しいヴェッキオ橋である。ヴェッキオとは古いという意味で、その名の通りフィレンツェで最古の橋。16世紀に橋の2階部分にヴァザーリの回廊が作られ、装飾品や金銀細工を扱う店が出来た。現在もたくさんの宝飾店が並び、観光客で賑わっている。
サン・ロレンツォ聖堂は15世紀に作られたメディチ家ゆかりの聖堂で、ブルネッレスキの設計によるもの。図書館はミケランジェロの設計で一万冊を所蔵している。図書館入り口の階段は滝をイメージしてミケランジェロが作った。弧を描く階段はマニエリスム様式。君主の礼拝堂の天井は八面の美しいフレスコ画で彩られている。ルネッサンス様式の水平の天井は視線を前方へ集中するように設計されている。貴石細工にはフィレンツェの象徴である赤い百合が描かれている。
フィレンツェの歴史は非常に古く、紀元前59年にローマ人がこの地を訪れ、花の女神フローラの名から、この地をフロレンティアと命名した。それ以前はエトルリア人が住んでいたようである。芸術の都と言われるフェレンツェだが、この街の歴史はメディチ家を抜きには語れない。フィレンツェを美しい芸術の都にしたのは、コジモ・イル・ヴェッキオで、多くのルネッサンス芸術家を集め、ヨーロッパで最初の公共図書館を建て、多くの公共建築にも莫大な資産を提供した。メディチ家で特に有名なのはフランス王室に嫁いだカトリーヌで、フィレンツェ料理をフランスに持ち込み、それをもとにフランス料理が誕生したのである。世界三大料理と言われるフランス料理も、知的で好奇心旺盛な美人のカトリーヌがいなかったらこの世に存在しなかったのである。メディチ家の中で特に芸術を愛したのがロレンツォで、芸術家を各国に派遣し、その中にはヴォッティチェリやレオナルド・ダ・ヴィンチもいた。今では世界中で食べられているジェラートも、実は16世紀にフェレンツェで生まれた。メディチ家の料理人、ブオンタレンティがジェラートを考え出し、それはカトリーヌとともにフランスにも伝わった。フィレンツェに行ったら、美味しいジェラートを食べながら芸術の都を歩いて見るのも悪くない。きっと中世のフィレンツェの人々の気持ちが伝わってくる。
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